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断・捨・離

断捨離 と言うものが流行っています。

断捨離とは?
断=入ってくる要らない物を断つ
捨=家にずっとある要らない物を捨てる
離=物への執着から離れる

簡単に言うとこんな意味だそうです。
元々はヨガから来た言葉だそうで、
断行・捨行・離行
の3つの思想が元だということ。

断捨離を行うと、
イライラが無くなったり、人間関係がスムーズに行くようになったり、
生活にメリハリがついたり、気分が前向きになりポジティブになるそうです。

なるほどねえ。
確かにいらないものをもったいないからって、大事に仕舞い込んでいるということは、
誰でもありそうなこと。
我が家の納戸も、半分はそんなもので埋まっています。

年末の大掃除とかで、引き出しの中を整理すると、
かなりすっきりとして気持ちがいいです。
それを常に心がけていれば良いのですね。
う~ん、断捨離。心引かれる言葉です。

でも、でもです。
ここで少し考えたいと思います。

私達は骨董を扱っていて、数十年、いえ100年、200年以上も昔のものを、
常日頃、目にし手に取っているわけです。
私達はそのものが経てきた時代というものを、そのものの奥から見い出します。
それは今現代に於いて、作り出そうと思っても決して作り出すことは出来ないもの。
それが、時代のあるものだけが持っている、大きな魅力であり、深い味わい なのですね。

昔の人が「断捨離だ~」とか言ってどんどん捨ててしまっていたら、
それらは今ここに無かったんだな、とそう思います。

昔の人は今と違って、ものを大事にしました。
ものも現代のように豊富では無かったからですし、
今と違って量産されていなかったので、そのものに一つ一つ価値がありました。

この断捨離ブームで、家にあるものをどんどん捨てている人が多くいるようです。
もちろん要らないものを捨てるのは私も賛成です。
でも、捨てるものと大事に取って置くものを間違えないで欲しい、そう思います。

おじいちゃんやおばあちゃんが、捨てずに大事に持っていたものの中には、
絶対に捨ててはいけないものが沢山含まれています。

錆びているから、壊れかけているから、しみがあるから、汚いから。
そんな理由で、何十年、何百年と長い間生き延びてきたものの命を絶たないように、そう強く願います。
その錆びやしみ、汚さから、私達は、美や愛おしさを見い出すことが出来るのです。

断捨離をした という方のブログで、その前と後のお部屋の様子とかを写真で見たりします。
確かに片付いている。すっきりさわやかです。
前があまりにも散らかっていた人は、「片付いて良かったわね~」とお祝いしたい気分ですが、
あまりにも片付けすぎてしまった人の部屋や机の引き出しとかを見ると、
正直言って「・・・・・何だか味気ない」
整理整頓されたその部屋は、たしかにすっきりとしてはいますが、
「何だか、モデルハウスみたい・・・・」
そう思ってしまうのは、私だけでしょうか?
大体において、ものへの執着が無い人間って・・・それも何だかつまらない。

ちょっとだけ雑然としていたり、心地よく散らかっていたり、
好きで集めすぎちゃったものがごちゃごちゃと並べられていたり。
私としては、そんなお部屋の方が心地よく住みやすそうに思えます。

単にブームに乗って、間違った捨て方をしないように、今日はそんなお願いでした。

創業明治13年、七宝焼きの老舗、安藤七宝店製のティースプーンです。
こちらは1958年、昭和33年のもの。
沖電気工業株式会社 高崎工場の竣工記念に作られたものです。
ニッケルシルバー製で、私が仕入れた時にはかなり錆びていました。
それをJが磨いてこんなに綺麗にしてくれました。
七宝の色合いが可愛い使い易そうなスプーンです。
これも錆びていたからといって、捨ててはいけないものの一つだと思います。 箱入り 6本セット sold

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by rosering | 2011-01-16 17:58 | 食器 カトラリー | Comments(2)
Commented by jackie-y at 2011-01-17 21:06 x
私は、招・拾・寄をモットーに毎日生きていて幸せでございます。執着のない人生なんて!ケの抜けた頭(じゃなくて)サイダーみたいじゃないですか!
Commented by rosering at 2011-01-17 23:43
ジャッキーさん
さすが!でございます。
ものの善し悪しを見極める「目」を持つことが大事 ですよね。
今後もお互いに、色々と執着しまくってまいりましょう~!


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