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コクーン歌舞伎

昨日は久しぶりに歌舞伎鑑賞へ。
ご招待を受け、渋谷Bunkamuraのシアターコクーンで、コクーン歌舞伎を見てきました。
演目は 「盟三五大切」(かみかけてさんごたいせつ) 作 四世鶴屋南北 演出・美術 串田和美
主な役者は 中村橋之助 尾上菊之助 中村勘太郎 などなど。

歌舞伎座以外で歌舞伎を観るのは初めてでした。
こじんまりしたシアターコクーン。
今年17年目になるコクーン歌舞伎、とても楽しみでした。
歌舞伎ファンにとっては、金比羅歌舞伎は憧れだと思いますが、
コクーン歌舞伎も、1階の舞台前に平場席があるのが、芝居小屋の雰囲気を醸し出していました。
長唄や三味線や鳴物ももちろんありますが、音の主役はチェロ。
そのチェロの響きが、やはり古典歌舞伎とは違うことを印象付けていました。

演目の「盟三五大切」は、忠臣蔵の外伝で、話としては分かりやすいお話。
演出の串田和美さんは、
「表面的には、美術的にも音楽的にも、
 歌舞伎じゃないと思われがちな匂いをうんと出そうと思っていて、
 それでも残る「歌舞伎らしさ」を見つけたい」 と仰います。
橋之助さんは
「歌舞伎俳優は、古典をただ守るだけでもいいけれど、
 やはり平成の世に生きている歌舞伎俳優として、
 今でしか観られない歌舞伎というものを世に送り出していくのも、僕らの役目」 だと。
当然のことながら、古典は古典として大事に守り続け、その上で常に進化して行く。
それが歌舞伎がずっと廃れず、根強く多くのファンがいる理由の一つなのでしょう。

とにかく面白かった!
中村橋之助の演技も姿かたちも、悲しいくらいにカッコよかったし、
中村勘太郎のその芸は、益々お父上に良く似て躍動感があって面白い。
尾上菊之助の女形は、それはそれは匂い立つように美しく、
橋之助さんは、その小万に惚れる役柄ですが、
「あまりの美しさに、小万を離したくない気持ちが分かる」と。う~ん。
橋之助さん演ずる源五兵衛の、家来役の八右衛門。
若い役者でまだ下手だなあと思って見ていたら、
かれは中村国生、そう橋之助さんの息子さんでした。まだ高校生です。
橋之助さんより線が太い。お父様とは違ったタイプの役者さんになりそうですね。

舞台に大雨が降るので、平場席のお客さまには、ビニールシートが配られます。
舞台の高さがとても低いので、花道はお客さまが座っている床。
役者との一体感がとてもあって、思わず引きずり込まれます。
私は中2階のバルコニー席だったので、役者が花道から下がる時に、
上から覗き込んで顔を良く見ることが出来ました。

すっかり堪能して夢心地で外に出てみると、
そこは舞台の上と同じような土砂降りの雨が降る、渋谷の夜の街でした。

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by rosering | 2011-06-10 13:09 | 日々のこと | Comments(4)
Commented by 美-ishiki at 2011-06-10 14:30 x
観劇レポート、素晴らしいです! お上手。

この劇場でのチケットは常に人気が高くて、
入手できたためしはありません。

(ただ、金比羅歌舞伎はまさかの幸運を得て
数年前に実現しましたが・・・)

さて、もうブログを拝見しているだけで
其の臨場感に浸れました、安上がりで得な性分です。
あくまでも、雰囲気だけですが・・・

ライブは良いですね。

ところで、串田和義さんは朝ドラでお馴染みですが
天は彼に二物を与えているのですねぇ・・・素晴らしい。

その昔、霞町にあった自由劇場「上海バンスキング」で
彼を見た強い印象が蘇ります。
其の時は、小さな小さな劇場で床に敷かれた
うすっぺらい座布団に膝を抱えながら見たものです。
あら、また昔を懐かしむ話になってしまいました。
あの頃、君はわかかぁった・・・
Commented by rosering at 2011-06-10 18:04
美-ishiki さん いつもありがとうございます。

金比羅歌舞伎にいらしたのですね!羨ましい~。
私もいつかは行ってみたいと常々思っています。

コクーン歌舞伎も金比羅歌舞伎も、江戸時代の芝居小屋の雰囲気。
自由劇場の頃も薄っぺらい座布団で、そんな雰囲気だったのでしょうね。
本当にライブは良いですね。素晴らしいです!
Commented by 葉月 at 2011-06-14 09:30 x
ご無沙汰申し上げます
(山から下界へ そして、また数日後 山へと)
冬は寒いですから やはりこの時節を楽しみたいと せっせと足を運んでおります
(リフォームに関わるストレスも溜りつつ ←余談ですが)

日本人でありながら 歌舞伎の知識もなく
TVなどで拝見するくらい。
 劇場で楽しむ!という経験もない、、私です(恥)
芝居小屋! 言葉の響き、いいですねェ
ライブの感動が 伝わります(^^)
Commented by rosering at 2011-06-14 18:47
葉月さん お久しぶりです。
山の生活、堪能していらっしゃるご様子。いいですね~^^

歌舞伎見物も良いものです。
必ずと言って良いほどいらっしゃる、上手にお着物を着こなした女性陣。
それだけで客席も華やかです。
長い幕間で頂くお弁当。大向うから掛かるお約束の掛け声。
芝居以外にもワクワクする要素が沢山あります。
私もしばらく行っていませんでしたが、
こういうものは一度行くとまたまた行きたくなりますねえ。


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